予想外の人数の多さに私が戸惑っているとき、私はうしろから声をかけられた。




「凛子、ここにいたのかよ。

探したぜ」




私がその声に振り返ると、そこには制服姿の私の大切な仲間たちがいた。




「海斗、蒼太、麻美。

みんないたのね」




「当たり前だろ。

オレたち、今日の午後八時に『ゾンビ街』の世界に来る約束だから」




蒼太はそう言って、いつものように優しい笑みを私に見せた。




「蒼太は臆病だから、もしかしたら、ドタキャンするんじゃないかって心配したわ」




「凛子、それって言い過ぎだよ。

オレ、約束はちゃんと守るの!」




「わかったから怒らないでよ!

それより蒼太、今日はちゃんと男らしいところを見せてよね」




私はそう言って、わざと蒼太から目をそらした。




「皆さま、お集まり下さい」




私たちの近くで男性の大きな声がして、『ゾンビ街』のプレイヤーたちは、一斉に声がした方に目を向けた。