早乙女凛子とホラーゲーム

そのとき、部屋の中に機関銃の乱射音が響いた。




海斗は機関銃を構え、至近距離から康彦の母に何発も銃弾をくらわせた。




そして頭部に銃弾を受けた康彦の母は、糸が切れた操り人形のように脱力して床に倒れた。




「お母さん!」




静寂が戻った部屋の中で、康彦の叫び声が響いた。




「お母さん、死んじゃ嫌だよ。

お母さん!」




康彦は動かなくなった母のとなりで膝まづき、茶色い汚水のような涙を流した。




私はその光景を見て、おぞましいと思った。




人間と同じ思考や感情を持っていたとしても、ゾンビの醜い姿が、私は受け入れられなかった。




腐った体は悪臭を放ち、ゾンビに近づく気持ちにはなれない。




知性を持ったゾンビは、知性を持ったがために、さらに悲劇的な存在になっていた。




〈 もしもこのゾンビたちに知性がなかったら、このゾンビたちは自分の存在に絶望しなくてもすんだのに……。

未来に希望が持てない毎日って、どんなだろう?

私はその深い闇を知りたくない 〉