早乙女凛子とホラーゲーム

「何でお前たちは、ゾンビなのに、オレたちと同じように話せるんだ?」




海斗は機関銃を構えながら、康彦に言った。




「知性の薬のおかげさ。

オレたちゾンビも、知性の薬を飲むことで、人間だった頃と同じように、話すことができるんだ。

知性の薬は、一日でも飲まない日があると、オレたちは知性を失い、人間を食う本能だけで生きるゾンビになっちまう。

知性を失ったら、おしまいさ。

そのときは、この奇跡の部落を追放されて、この『ゾンビ街』の世界を永遠にさ迷うことになる。

だからオレたちは、知性の薬だけは欠かさず飲んでいるのさ」




〈 知性の薬なんてものが、『ゾンビ街』の世界にはあるんだ。

康彦たちは、まだ人間らしさを残したゾンビだ。

だけど、康彦たちが人間に戻ることは、絶対にないよ 〉




「ねぇ、康彦くん。

その知性の薬って、誰がくれるの?」




「浅田先生だよ。

浅田先生はオレたちを知性の薬で操っているんだ」



「操っているって、どういうこと?」




「浅田先生は、オレたちの足元を見てやがる。

オレたちが、どんなことをしても、知性の薬を欲しがることを知ってるんだ。

オレたちは、その知性の薬をもらうために、工場で毎日、十二時間の強制労働をさせられているんだ」