その家の中にいたのは、二体のゾンビ。




肌は青白く、髪の毛は抜け落ち、顔の肉がところどころそげ落ちていて、そこからは白い骨が見えていた。




私はその二体のゾンビの様子を見ると、心臓が急に早鐘を打ち始めた。




〈 私が今、見ているものは何なの?

ここにいる二体のゾンビは、私たちみたいに話している。

そんなことってあり得るの? 〉




「どうした、凛子?

家の中の様子はどうなんだ?」




家の中の様子が気になる海斗が、凛子に話しかけた。




私は海斗の方を振り返り、ドキドキと音を立てる心臓の鼓動を感じながら、震える声で答えていた。




「ここにいるのは、人間じゃないの……」




「凛子、それって、どういうこと?」




麻美が困惑している私の顔を見て、私の顔を見つめていた。




「この家で会話をしているのは、ゾンビよ!

ゾンビが言葉を話しているの!

こんなことって、今までに一度もなかった。

この家にいるゾンビは、普通のゾンビじゃないよ。

この家にいるゾンビは知性を持っているの」