早乙女凛子とホラーゲーム

「ようやくこの『ゾンビ街』でも、人間に会えるんだね」




蒼太が微笑んで、私にそう言ったとき、私は思わずため息が漏れた。




「蒼太はのんきでいいよね。

この奇跡の部落にいる人間が、良い人か、悪い人かなんて、わからないのに……」




「きっと良い人だよ。

人は九割方良い人だって、死んだおじいちゃんが言ってたから」




「蒼太はきっとおじいちゃんに似たのね」




私はそう言って、もう一度ため息をついた。




「何か、そののんびりした考え方が、蒼太とそっくりだから」




私と蒼太が話している間に、芳樹が席を立ち、バスのドアを開けた。




「タイムリミットは、午後七時だね。

それまでみんな、ミッションクリア目指して頑張ろう」




そう言った芳樹を先頭に、『ゾンビ街』のプレイヤーたちは、次々とバスを降りていった。