静かな夜が明け、『ゾンビ街』のプレイヤーたちはミッション2をクリアするために、同じ部屋に集まった。




「それでは皆さん、今日はミッション2クリアを目指して、頑張って下さい。

そして今晩もこの場所で会いましょう」




この建物の主、美紗は明るい顔でそう言ったが、これからゾンビたちとの戦いが始まるプレイヤーたちの顔色は冴えなかった。




「今日は奇跡の部落ってところに行くんだろ?

移動手段はどうするんだ?」




坊主頭のトラックの運転手、和真が美紗にそう訊いた。




「みんなが一緒に移動できるように、大型バスが用意してあります」




「そいつは準備がいいぜ」



海斗が美紗の予想外な答えに、思わずそう言った。




「『ゾンビ街』の世界は、皆さんに快適にホラーを楽しんでもらうために、その都度、乗り物を用意する設定になっています」




「私たちは快適にホラーを楽しんでないわ!

この『ゾンビ街』は、本当に最低よ!」




私はどうしようもない怒りを美紗にぶつけた。