「この肉、マジでうめぇよ。

スゲー柔らかいし。

本当に最高だぜ!」




海斗が言った言葉につられて、蒼太も肉にかぶりついた。




「本当だ。

すごくおいしいよ。

こんなおいしい肉、初めて食べたよ」




海斗と蒼太は目の前にあるご馳走に夢中になり、私たちに話しかけなくなっていた。




「男子って、どうしてこんなに単純なの?

さっきまで、あんなに怖い思いをしていたのに」




私は呆れた声で、麻美に言った。




「二人ともポジティブなのよ。

悪いことばっかり考えていても仕方がないって。

ねぇ、凛子も食べてみなよ。

とってもおいしいよ」




私は麻美にそう言われて、目の前にあるスープをスプーンですくって、飲んでみた。