早乙女凛子とホラーゲーム

「間に合うと思うか?」




エレベーターが下降し始めたときに、海斗が言った。




「オレ、スマホで時間を見てみるよ」




「止めて!」




私は、蒼太がスマホを取り出そうとしたとき、大きな声で叫んでいた。




「私、残り時間なんて知りたくない。

だって、怖いじゃない。

もし、もう間に合わないってわかったら、私たちはあきらめちゃうじゃない」




「凛子は口だけで、意外とビビりだからな」




海斗は笑いながら、私にそう言った。




「何なのよ。

海斗は自分ばっかり平気な顔しちゃって。

男子はやっぱり無神経なのよ。

麻美は私の気持ちがわかるでしょ」




「わかるよ。

私はたぶん、凛子よりも怖がってるよ」




「わかったよ。

それじゃ、時間を見るのは止めるよ」




蒼太がそう言って、ポケットから手を出したあとに、私たちの会話が途切れてしまった。




私はドキドキしながら、下りてくるエレベーターが、早く来てくれることだけを願っていた。