私たちに残された時間は、あと十分。




その時間は圧倒的に少なかった。




私たちは全力で北に走り、チャットの書き込みにあったビルを探していた。




そして私の視界に、おそよ40階建てのビルが入ってきて、私の心臓がドクンと跳ねた。




〈 あったわ!

このビルよ。

間違いない! 〉




私たちの未来が、突然、明るい光に包まれていくのを私は感じていた。




〈 大丈夫。

時間はまだあるわ。

私たちはミッションをクリアできる! 〉




私がそう確信したとき、目的のビルと私たちの間に、二十体ほどのゾンビが現れ、私たちの行く手を阻んだ。




私たちはゾンビたちの出現に、走ることをやめて、立ち止まった。




ゾンビたちの群れは、またあのうめき声を上げながら、私たちには迫っていた。