私たちはこのビルのすべてのフロアを探し終えて、ビルの外にやってきた。




結局、このビルにもドリーム社のロゴ入りの機械はなかった。




私たちは、何の収穫もないままに、貴重な時間だけを失った。




「ヤバイぜ。

このビルにも、ドリーム社のロゴ入りの機械はなかった。

いよいよ、時間がないぜ。

蒼太、残り時間は、あとどれくらいある?」




蒼太は海斗にそう言われ、スマホを手に取り、時間を確めた。




「残りあと二十五分だよ。

早くしないと時間切れだよ」




「ちょっと、オタオタしないでよ。

まだ、タイムリミットが来たわけじゃないわ」




「でも、現実的に厳しいよ。

残り二十五分で、あと何十棟もあるビルの中から、ドリーム社のロゴ入りの機械を見つけるなんて……」




麻美の現実的な話に、みんなが黙り込んだ。




『もしも』とか『奇跡』を私たちが信じたら、それは確率の悪いギャンブルになる。




ピンポイントで、ドリーム社のロゴ入りの機械の場所さえわかれば、まだ私たちは、助かるかもしれないのに……。