早乙女凛子とホラーゲーム

私はゾンビに制服をつかまれたとき、ドキリとして、心臓が止まりそうだった。




もしゾンビに引っかかれでもしたら、私はウイルスをもらって、ゾンビになってしまう。




私は死ぬことよりも、自分がおぞましいゾンビになることが怖い。




「食わせろ!」




私は、背後から聞こえてくるおぞましい声に振り返った。




するとそこには、今にも私に噛みついてきそうな若くて醜い、女のゾンビがいた。




私はそのゾンビと目が合うと、息をするのも忘れていた。




その女のゾンビの肌は黒くて、腐っていた。




眼球は右目にしかなく、上唇もなくて、歯がむき出しになっていた。




もしもこの女のゾンビが人間だったなら、きっと私と同じくらいの年だろう。




だけど、私とこの醜いゾンビとでは、生涯をかけても埋め尽くすことができないくらいの差があった。




私は人生を終えるまで、人間でいたい。




私が最後まで、早乙女凛子として生きる!




私は自分が何者かであるかがわからなくなってまで、この世に存在していたいとは思わない。




だから、逃げなくちゃ!

このおぞましいゾンビから逃げなくちゃ!