早乙女凛子とホラーゲーム

私はその光景を夢でも見ているかのような思いで見ていた。




私の行く手を塞いでいた三体のゾンビが、次々と倒れて、道ができていく。




「凛子、逃げるぞ!」




蒼太のその声に、私の心が震えた。




「心配ばっかりかけるなよ。

逃げるぜ!」




蒼太のとなりに立つ海斗が、そう言って私に微笑みかけていた。




私は想像もしていなかった奇跡の瞬間に、言葉を失い、蒼太を見ていた。




「行くぞ!」




蒼太がそう言って、私の手を握りしめて、私の手を引いた。




〈 私、まだ生きられる!

もうダメだと思ってたのに……。

もうあきらめてたのに…… 〉




私が今にも泣き出しそうになりながら、走り出したとき、私の背後に迫るゾンビの手が、私の制服をつかんで、引っ張った。