早乙女凛子とホラーゲーム

廊下の幅いっぱいに、横一列に並んで迫ってくるゾンビたちに、私が放った銃弾が、ことごとく命中した。




でもゾンビたちは、脳を破壊しない限り、人間を食べようとすることを止めはしない。




『ゾンビ街』に存在するゾンビにとって、人間を食べることだけが、行動のすべてだ。




ゾンビたちは、人間を食べるという本能にのみ従って、機関銃の銃弾を少しも恐れてはいなかった。




〈 ゾンビの頭に、銃弾を命中させなくちゃ……。

そうしなければ、ゾンビたちは死なないから。

廊下の片側だけでいいから、ゾンビたちを全滅させて、道をつくらなくちゃ。

私なら、絶対にゾンビの頭に銃弾を命中させられる。

私にはできる……。

絶対にできるの! 〉




私は頭の中からマイナス思考を振り払い、ゾンビの頭に銃弾を命中させることだけを考えて、機関銃を撃っていた。




ゾンビたちは、どんどん私に迫ってきているのに、私にはゾンビたちの動きが止まって見えた。




今の私には、ほんの数秒の時間がとても大切だった。




今のままでは、あと一分もしないうちに、私はゾンビたちの群れに飲み込まれる。




ゾンビに少しでもしがみつかれたら、私にはもう、ゾンビに抵抗する手段がない。




集中力を増した私が撃った銃弾が、おもしろいように、ゾンビたちの頭に命中していき、ゾンビたちが次々と倒れていった。




私はその非日常的な世界に興奮を覚えながら、無我夢中で、機関銃を乱射していた。