閉まっているドアをそっと開けるとき、私はいつも怖くて、ドキドキしていた。




私が開けたそのドアの向こう側に、もしかしたらゾンビがいるかもしれない。




ドアが開いた瞬間に、ゾンビの手が伸びてきて、私の制服をつかんでくるかもしれない。




不意にゾンビに襲われたら、女の私に抵抗する力はないだろう。




ゾンビに引っかかれたり、噛まれたりしたら、そこで私のホラーゲームは終わりを告げる。




ゲームオーバーを迎えた私はゾンビになって、『ゾンビ街』の世界をさ迷い、もう二度とリアルな世界には帰れない。




〈 油断は禁物よ 〉




私は自分にそう言い聞かせて、早鐘を打つ心臓の鼓動を感じながら、部屋のドアを開けた。




そして私は、そっと部屋の中をのぞき込み、その部屋にゾンビがいないことを確認すると、ようやく胸を撫で下ろした。




〈 ここにはゾンビがいないみたいね。

早くこの部屋の中を探して、次の部屋に行かなくちゃ 〉




ドリーム社のロゴ入りの機械が見つからないまま、時間だけが過ぎていく。




私たちは、どんどんビルの下の階に進んでいったが、ドリーム社のロゴ入りの機械は見つからなかった。




〈 いったい、ドリーム社のロゴ入りの機械は、どこにあるの?

早く見つけないと、時間ばかりが過ぎていってしまう……。

タイムリミットは近づいてる。

私は時間切れで、ゾンビの餌になんてなりたくない 〉