早乙女凛子とホラーゲーム

扉が開くと、そこには薄暗い廊下があって、ゾンビがいる気配はなかった。




〈 とりあえず、ゾンビはいないみたいね。

でも、この大きなビルのどこかには、間違いなくゾンビがいるはずよ。

だってここは、『ゾンビ街』

どこにだって、ゾンビはいるわ 〉




「よし、今のところ、ゾンビはいないぜ。

探し物をするには、最高な条件だぜ」




海斗がそう言って、一番最初にエレベーターを降りた。




「このビルも、静かで、不気味だよ。

イヤだよね、このシチュエーションさぁ」




「蒼太、バカなこと言わないでよ。

ホラードリームなのに、ウキウキするようなシチュエーションがあるわけないでしょ。

『ゾンビ街』の世界は、どこに行っても、怖いのよ!」




「凛子の言うとおりだけど、私は怖いのがやっぱり苦手よ。

こんなことなら、家で『ときめき逆ハーレム』をしてた方が良かったわ」




「そうだよね。

『ときめき逆ハーレム』の方が、『ゾンビ街』より百倍いいよね。

畑中先輩のドSなセリフに胸キュンしてた自分が懐かしいよ」




「凛子は畑中先輩なんだ。

私は月森先輩が好きなんだ。

あの癒し系がたまらなく好きなの」