早乙女凛子とホラーゲーム

ゾンビに噛まれたプレイヤーがいた。




チャットに書き込みをした章と言う男性は、
大型バスの運転手に悪態をついていた茶髪の不良高校生だ。




章が最後の書き込みをしたのが、三分前。




章はきっと発症し、今頃、ゾンビになっているに違いなかった。




〈 私は蒼太に救われて、ゾンビに噛まれずに済んだ。

でも、私は一歩間違えば、章という高校生と同じ立場になっていたかもしれない。

ウイルスをもらって、発症を待っているときの気持ちって、どんな感じだろう?

恐怖? 絶望? それとも後悔?

私はゾンビになんてなりたくない。

あんなに醜い存在になってまで、私はこの世にいたくない…… 〉




私がチャットをすべて読み終えて、顔を上げると、私の仲間たちが青ざめた顔でスマホを見ていた。




『ゾンビ街』のプレイヤーたちは、みんな苦戦していた。




焦りや不安に襲われているのは、私たちだけではなかった。