早乙女凛子とホラーゲーム

〈 蒼太、ありがとう。

私ね、蒼太が助けてくれて、泣きたいくらいにうれしかったよ。

だって、私を助けてくれたのが、大好きな蒼太だから。

私は蒼太を待っていたから…… 〉




私は本当に伝えたい気持ちを心の中にしまい込んだ。




もしも麻美なら、こんなときに素直にありがとうって言うだろう。

海斗なら、サンキューって言うのかな。




でも私は、そんなことを言えないから、私の気持ちは蒼太には伝わらない。




言葉って、とっても不便だ。




言葉って、声にしなければ、何も相手に伝えないから。




私はなぜだか、素直な言葉を口にできない。




素直な言葉は、私を恥ずかしくさせるから。




私は強いけど、不器用な女だから。