早乙女凛子とホラーゲーム

「このビルは25階か。

またエレベーターで上に行こうぜ。

その方が効率がいいから」




海斗がそう言って、エレベーターのボタンを押して、エレベーターの扉を開けた。




私たちは扉が開いたエレベーターに急いで乗り込み、
海斗が25階のボタンを押して、エレベーターは上に向かっていった。




〈 このビルにもゾンビはいるのかな? 〉




私はまた同じ不安を胸に抱えて、機関銃をにぎりしめた。




〈 いると思った方がいいわよね。

だってここは、『ゾンビ街』だから…… 〉




エレベーターが25階に到着し、ゆっくりと扉が開いていく。




そして扉が開いていくその隙間から、また薄暗い廊下が見えたそのとき、
扉の隙間から細くて皮膚がただれた腕がスッと伸びてきて、蒼太の制服の襟をつかんだ。




私は、予想もしていなかった事態に叫び声を上げたあと、
事の重大さに気づいて、息が詰まった。




〈 ゾンビよ!

いきなりゾンビが現れたの!

蒼太が危ない!

助けなきゃ! 〉




エレベーターの扉が完全に開き、おぞましいゾンビの姿があらわになる。




それは若い女性のゾンビだった。




長い黒髪は、半分以上が抜け落ち、頬の肉はそげ落ちて、片方の目玉が飛び出してるそんなおぞましい姿のゾンビが、
口を広げ、ヨダレを垂れ流し、蒼太に襲いかかろうとしていた。




「食わせろ!」




女のゾンビの心の叫びが、声になって辺りに響いた。




女のゾンビは蒼太の肩をつかんだまま、強引にエレベーターの中に入り込み、そして蒼太に襲いかかった。