「今日の朝ね、蒼太は私を置いてきぼりにして、私よりも先に教室に行っちゃったんだよ。

それってひどくない?

蒼太はちょっとくらい私のことを待ちなさいよ」




「凛子を待ってたら、オレまで遅刻するだろ?

イヤだよ、そんなの……」




「麻美、蒼太が私にすごく冷たいこと言うんだけど、それってひどくない?」




「そうかな?

私は寝坊した凛子が悪いと思うよ」




「そんなぁ、麻美まで冷たいなぁ。

ねぇ、海斗。

海斗は私の味方だよね」




「バカ言うなよ。

そんなの寝坊した凛子が悪いに決まってんだろ」




「もうみんな、薄情なんだから!」




私がそう言って怒ると、私の仲間三人は、みんな声を上げて笑った。