「どうしよう。

これじゃ、時間がまるで足りないよ。

今のペースじゃ、何十棟もあるビルのうちの三棟を見てまわるのがやっとだよ」




「蒼太の言うとおりね。

これじゃ、私たちがドリーム社のロゴ入りの機械を見つける可能性は、十パーセントにも満たないわ」




「ガムシャラに探せば、何とかならねぇか?」




「海斗の気持ちはわかるけど、それでも厳しいよ。

効率よく探す方法がなければ、私たちは時間ばかりをなくしちゃう……。

タイムリミットが来たら、私たちはゲームオーバーよ」




自分が口にしたゲームオーバーという言葉の響きに胸が痛んだ。




ゲームと言っても、これは命がけのゲームで遊びじゃない。




ゲームに破れた私たちは、ゾンビの餌になったあげく、
自らもゾンビになって、この街を永遠にさ迷い続けなくてはならない。




そんな未来が私たちにあるとしたら、それは本当の悪夢だ。




私は自分の意思をなくしてまで、生きていたいとは思わなかった。