〈 何よ、蒼太。

文芸部の草食系男子のくせに、私を置き去りにするなんて! 〉




私は蒼太の背中を必死になって追いかけながら、
ホームルームの始まりを告げるチャイムを聞いていた。




〈 急いで、コソッと教室に入れば、ギリギリ間に合うかな?

蒼太ばっかり、先に行っちゃってさぁ 〉




あとで蒼太に怒ってやるんだからと、私は思いながら、昇降口で靴を履き替えていた。




〈 ハッピードリームに出てくる蒼太は、もうちょっと優しいのに…… 〉




私はそんなことを思いながら、足早に一年二組の教室に向かっていた。