「上から順に探した方が、効率がいいはずだぜ」




「海斗の言うとおりね。

エレベーターで、このビルの最上階に行って、1フロアづつ調べるのが、ベストだと思うわ」




「だけどさぁ、エレベーターでそんな高いところまで行って、オレたちは引き返せなくなったりしないかな?」




「蒼太は心配性なのよ。

本当に男らしくないわね」




私は呆れてそうつぶやくと、自分の考えをみんなに言った。




「時間は限られているの。

多少、危険だとわかっていても、私たちは次から次へと、ビルの中を探していくしかないの。

迷ってる暇はないわ」




「凛子の意見で決まりだな」




海斗はそう言うと、エレベーターのボタンを押して、エレベーターのドアを開けた。




「オレたちが目指すのは、このビルの30階だ。

みんな、急ごうぜ」




海斗がそう言うと、私たちは小さくうなづき、エレベーターに乗り込んだ。