私は朝日の眩しさで目を覚ました。




私が目をこすり、そっと目を開けると、私がいる場所は、私が見慣れた自分の部屋。




私はゆっくりと起き上がると、ドリームメイカーと繋がっているヘッドギアを静かに外した。




〈 私の部屋だ……。

私は『ゾンビ街』から帰ってこれたの?

私はあの最悪の世界から抜け出して…… 〉




私がそう思ったすぐあとに、私は大切な仲間たちのことを思って、胸が痛んだ。




〈 蒼太、海斗、麻美……。

私たちはもう会えないんだね。

私たち、『ゾンビ街』になんて行かなければ良かったんだ……。

そうすれば、私たちは…… 〉




「凛子、起きなさい。

遅刻するわよ」




リビングからお母さんの声が聞こえてきた。




いつもと変わらない朝。




戻ってきた日常。




私は取り戻したかったものをやっと取り戻したけど、少しもうれしいとは思わなかった。




私はもう蒼太に会えない……。




こんなに会いたいのに、私はもう蒼太には会えないんだ……。