早乙女凛子とホラーゲーム

「ねぇ、蒼太。

時間って巻き戻せないのかなぁ。

私、やり直したいよ。

リアルな世界に帰って、もう一度……」




吐き気がして、私は口元を押さえた。




寒気がさっきよりもひどくなってる。




ああ、私に残された時間は、きっとあともう少しだ。




「オレが凛子の時間を巻き戻すよ」




蒼太はそう言うと、ゆっくりと立ち上がり、床に落ちていた金属バッドを手に取った。




「オレが凛子をリアルな世界に返してやる。

オレが凛子を守るのは、絶対に譲れない約束だから」




私は金属バッドを握りしめて、『ゾンビ街』のサーバーに向かっていく蒼太の背中に叫んでいた。




「蒼太、止めて!

行かないで!」




私は泣きながら、気力を振り絞って、声を張り上げた。




〈 蒼太、行っちゃだめだよ。

私は蒼太に消えて欲しくないから…… 〉