早乙女凛子とホラーゲーム

「クッソー!」




いつもは穏やかな蒼太が怒りをあらわにして、高藤に向かっていった。




そして、不敵にニヤリと笑った高藤に蒼太が殴りかかったとき、また高藤を取り巻く空間が歪み出して、高藤の姿も歪み出した。




蒼太が高藤を殴ろうとした拳は、高藤の体をすり抜けて、蒼太は前のめりに倒れ込んだ。




「フフフッ。

ハハハハハッ」




高藤の笑い声が、私たちをあざ笑うかのようにセンタービル最上階のフロアに響いた。




そして高藤は、いつものように姿を消した。




私はその様子を涙でにじむ視界の中から見ていた。




高藤の姿が消えていくのと、私たちの希望が消えていくのが、リンクしているみたいに、私には思えた。




もうダメだ……。




もうゲームオーバーしかないんだ……。




私は発症し、ゾンビになって、この最悪の世界をさ迷い続ける。




私の『ゾンビ街』は終わったんだ……。