〈 この巨大なサーバーが『ゾンビ街』の世界を作り出して、私たちを苦しめていたんだ……。

だけど、それももう終わりよ 〉




私はそう思うと、奥歯をギッと噛みしめた。




〈 私と蒼太がこの巨大なサーバーをぶっ壊すから! 〉




さっき、私に呼ばれた蒼太が、私のとなりに駆けつけて、巨大なサーバーを見上げていた。




「凛子、ついに見つけたな。

これでこの『ゾンビ街』は消えてなくなる。

オレたちはリアルな世界に帰れるんだ!」




蒼太のその言葉に、希望がふくらんだ。




それなのに、私は寒気がして、体の震えが止まらなかった。




早くしないと発症してしまうという確信にも似た予感。




私は吐き気がしていたけど、目の前の巨大なサーバーを見つめながら、決意を固めた。




〈 私は負けない。

発症してゾンビになる前に、私はこの『ゾンビ街』を消し去る!

悪夢はもう終わりよ。

私はリアルな世界に絶対に帰るの! 〉