「それでこそアマンダ! さすが、わたくしの親友ですわ!」
心底嬉しそうな声のお岩さんが、満面の笑顔を見せてくれる。
そうだよ。お岩さんはあたしの親友だ。
その親友はいま、複雑な恋愛感情に翻弄されている、のっぴきならない状態なんだ。
水絵巻を手に入れて、お岩さんの心を袋小路の中から救い出したい。
自分のことばっかり考えてる場合じゃない。
あたしは、彼女を置き去りにして帰るわけにはいかない!
「小娘が目を覚ましたところで、現実問題、これからどうするかのぅ?」
絹糸がシッポをユラユラさせながら、つぶやいた。
「いつまでも、ここにいるわけにはいかぬ。皆でここから移動せねばならぬわけじゃが……」
そう言われて、改めてあたしは、いまの異常事態を再認識した。
移動するったって、どこに? いやそれよりもまず、どーやって移動すんのよ? この全員を引き連れて。
こうして見ると、現世の日常空間の中でみんなの姿は、ハッキリくっきり4K画像ばりに鮮明に浮いている。
金のラメ入りオーガンジードレス姿の貴婦人。
漆黒の執事服スタイルの美形男子。
袴姿の美少年。平安貴族衣装のマロ化粧。死に装束風の真っ白中年男性。
それと、小山のような大きな赤鬼と、しゃべる猫。
……どーすんだこれ? 手に負えないんですけど。
もしもこんな集団が近所でウロウロしてたら、あたしぜったい通報するよ。特に赤鬼はヤバイ。
他の人たちは、『ちょっと勘違いしてるコスプレ好きでーす』って誤魔化せるけど、しま子はどうにもならん!
職務質問されたら、ご当地キャラの着ぐるみってことで、言い逃れるしかないな。
やたら完成度の高い着ぐるみだけど。
心底嬉しそうな声のお岩さんが、満面の笑顔を見せてくれる。
そうだよ。お岩さんはあたしの親友だ。
その親友はいま、複雑な恋愛感情に翻弄されている、のっぴきならない状態なんだ。
水絵巻を手に入れて、お岩さんの心を袋小路の中から救い出したい。
自分のことばっかり考えてる場合じゃない。
あたしは、彼女を置き去りにして帰るわけにはいかない!
「小娘が目を覚ましたところで、現実問題、これからどうするかのぅ?」
絹糸がシッポをユラユラさせながら、つぶやいた。
「いつまでも、ここにいるわけにはいかぬ。皆でここから移動せねばならぬわけじゃが……」
そう言われて、改めてあたしは、いまの異常事態を再認識した。
移動するったって、どこに? いやそれよりもまず、どーやって移動すんのよ? この全員を引き連れて。
こうして見ると、現世の日常空間の中でみんなの姿は、ハッキリくっきり4K画像ばりに鮮明に浮いている。
金のラメ入りオーガンジードレス姿の貴婦人。
漆黒の執事服スタイルの美形男子。
袴姿の美少年。平安貴族衣装のマロ化粧。死に装束風の真っ白中年男性。
それと、小山のような大きな赤鬼と、しゃべる猫。
……どーすんだこれ? 手に負えないんですけど。
もしもこんな集団が近所でウロウロしてたら、あたしぜったい通報するよ。特に赤鬼はヤバイ。
他の人たちは、『ちょっと勘違いしてるコスプレ好きでーす』って誤魔化せるけど、しま子はどうにもならん!
職務質問されたら、ご当地キャラの着ぐるみってことで、言い逃れるしかないな。
やたら完成度の高い着ぐるみだけど。


