「遥輝っ!?……落ち着けっ!」


「うああああっ……!!!!」



遥輝は叫ぶと暴れ出した。



「遥輝っ!!!」



いつも冷静だった遥輝に、俺は戸惑いを隠せなかった。



強いなっていつも感心してた。

さすが遥輝だって。



……そんなわけないよな。

……本当は怖くて仕方ないに決まってる。



そんな遥輝の体を、俺は抑えつけるためじゃなく、手を貸すように抱きしめた。



落ち着いてなんていられるわけないんだよ。


暴れて叫んだっていい。


感情を吐き出すことは必要だ。


でも、それで自分を傷つけることのないように遥輝の体を守る。



「どうしてっ……」



怖くて仕方ないよな。



「なんで俺がっ……」



悔しくて仕方ないよな。