「や……っ……」
約束した側から、逃げ出したくなってしまう。
ほんとのことが知りたいと言っておきながら、心の準備なんて出来てなかった。
だって、ものすごく大きな恐怖に飲みこまれそうで。
「遥輝はね……」
そんなあたしの体を捕まえるように、しっかりつかんで離さない蒼の手。
「大阪になんていないんだ」
「……」
「遥輝はね……」
「……」
「今、あそこにいる……っ」
蒼が視線を斜め上にあげた。
……あそこって……?
蒼に支えられてなければ立っていられてないくらい、ふわふわと宙に浮いたような体をなんとか捻って。
やっとの思いで蒼の視線を辿れば。
「え……」
分からない。
そこにはなにもないから。



