それはきっと、君に恋をする奇跡。



この論文で、市内で弁論大会が行われるらしく、最終的に1年生の中からひとり代表を選出すると言われている。


そのせいか、担任は困ったような顔をしながらも猶予は与えてくれない。



「別に代表とか狙ってないからマジいいっすー」


「そういう問題じゃないだろ。これも授業の一環なんだぞ。さては水瀬、書きたくないだけだろ」


「うっ……」



蒼が図星って顔をして、教室内はどっと笑いに包まれた。



「聞くところによると、水瀬は実は右手でも字が書けるらしいじゃないか」



追い打ちをかけるように、先生が蒼の手元を覗き込む。



「えっ!」



ちょうど右手でシャーペンを握っていた蒼は、慌ててそれを落とす。

やばいって顔しながら。