「結局その友達のために部活までやめちまったんだよ。 友達は入退院を繰り返してたから、部活してたら見舞にも行けなくなるって。確か、蒼が中2の冬前だったかな」
「……え」
「才能あったのにもったいねえって、俺は何度も引きとめた」
どこか懐かしそうに振り返りながら、そしてまだ諦められないように。
「でも、蒼の決意は固く変わらなかった」
それが、蒼がバスケをやめた理由……?
高校に入ってやめたんじゃなくて、そんなに前からもうバスケをやめていたんだ……。
部活をやめてまで側にいたい人。
蒼がそこまで思う人。
"彼女じゃないけど大切にしたい人がいる"
……菜々さんなんでしょ。
もらったピアスを外せないくらい、大切にしたい人は……。
「その友達は……今も闘病中なんですか……?」



