それはきっと、君に恋をする奇跡。



***



「寝不足と疲れか……」



久保先輩が、蒼の寝顔を見ながらつぶやく。


保健の先生の所見では、今すぐ病院へ運ばなきゃいけないような緊急事態ではないらしい。


その通り、ベッドに寝かされた蒼の呼吸は安定していた。


とりあえず良かった。


蒼を起こさないようにそっとカーテンを閉める。



「ありがとうございました。あたしひとりじゃどうにもできなくて……」


「そりゃそうだよ。助け呼んでくれて正解だったよ」


「うん、あたしもびっくりしちゃった」


「真由ちゃんもありがとう」



ふたりの時間を邪魔しちゃったのに、イヤな顔をひとつ見せず蒼のために尽くしてくれた久保先輩と真由ちゃんにお礼を言う。


倒れる前の蒼の様子は伝えていない。


もちろん、あたしに抱かれながら涙していたことも。


その前の経緯について聞かれたらなんて答えよう……。