あたしもその流れに乗って、一歩足をふみだしたとき。
「俺は、その"ハル"ってやつに感謝だな」
そんな声に、足が止まる。
「だって陽菜に出会えたし」
蒼はあたしを見下ろしていた。
ドクンッ。
やだ、また変なこと言って。
どうせまたからかってるんでしょ。
イケメンは何言っても許されるんだろうなぁ。
……なんて、軽い言葉を吐き出したキレイな顔を見上げていると。
蒼は、その顔を自然にクシャっと緩めた。
「一期一会、だな」
「一期……一会……?」
「ああ。陽菜に出会ってなかったら、俺だって今日って日を陽菜とカラオケで楽しく過ごしてなかったし、この間もクレープを食べに行ったり、プリを撮ることもなかった」
いつものふざけた雰囲気はどこにもなくて。
「人との出会いには、ちゃんと意味があるんだよ」