「キライになんて、ならなくていいんだよ」
……え?
いとも簡単に答えを導く水瀬くんに、嗚咽が止まる。
「そんな一番難しいことから始めようとするから、きついんだ」
一番、難しこと……。
「好きだった人を嫌いになるなんて、そんな真逆なこと、しなくていい」
言葉の強さに、思わず目を見張った。
そのまなざしも強く、吸い込まれるようだった。
「まずは、もがけ」
「……」
「必死でもがけ。もがいてもがいてもがいたら、いつか必ず光は見えてくる。その光を頼りに這い上がったら、必ず浮上できるはずだ」
はっ、とした。
それは全身に痺れを伴うくらい目の覚めるような言葉で。



