それはきっと、君に恋をする奇跡。



深刻でもない、明るさを含んだ声に。


ふっ、と心が緩んで。


ついそのまま口に出してしまった。



ハルくんのことを。


ずっとずっと大好きだった人に、裏切られた話を……。



彼氏でもないし。


ただの子供の口約束を信じて高校まで受験したなんて、バカだなって笑われるかと思ったのに。




「そっか……ツラかったな……」



ポン───


大きな手のひらが、あたしの頭の上に優しく落ちた。



……どこかで思ってたのかも。


水瀬くんは絶対に笑わないって。



出会って2ヵ月弱。


お節介だしうるさいし、イライラもしたけど。


笑わせることはあっても、バカにしたように人を笑うことはしなかった。


そんな水瀬くんなら、きっとあたしが欲しい言葉をくれる……って。