それはきっと、君に恋をする奇跡。



ポタリ、ポタリ。


気付けば俯いたあたしの目からは、大粒の涙が零れ落ちていた。



やがて体中に響いてた重低音は止み、曲が終わったことを知る。


それでも顔をあげられずにいると。


水瀬くんがマイクを置いてあたしの隣に座った。



泣いてるのは気づいてるはずなのに、何も聞いて来ない。


静まり返ったこの狭い個室で。


口を閉ざしたまま、ずっとあたしの隣に寄り添ってくれていた。


この間みたいにガムが出てくるわけでもなく、ただ黙って。


そんな水瀬くんに、あたしの"何か"を察知してくれたように思えてまた緩む涙腺。



そんな空気に乗せて、自然と……言葉が零れ落ちた。



「……やっぱり、ダメだ……あたし……」


「どしたー」