「うわぁ、やばい……」
声はもちろんのこと、少し切ない目をしながらマイクを握る水瀬くんにも、目を奪われる。
切ない歌詞をしっとり聞かせるような深みのある声が、ぐんぐん心の中に響いてくる。
あまりの感動に、鳥肌がたって涙腺まで緩んでくる。
歌って、表現ひとつでこんなにも人の心を動かすんだなぁ。
水瀬くんは楽しませたり感動させたり、ほんとに人の心を揺さぶる天才だ。
この顔で、この声で、こんなバラードを歌われたら、普通の女の子は一発で恋に落ちちゃうんだろうなあ……。
クラスでカラオケに行ったら大変なことになりそう。
そんなことを思いながら、ふとモニターに目を移すと。
ドクンッ……。
穏やかだった心臓が、静かにざわつきだした。
それは……
この曲のイメージ画像に……高校球児が登場していたから。



