それはきっと、君に恋をする奇跡。



……なんで?


ていうか、そんな言葉クラスの女子に言ったら勘違いしちゃうよ?普通……。


なんていうあたしの視線は無視されて、水瀬くんはソファに座るとリモコンで曲選びを始めた。


この操作は手慣れているらしく、すぐに画面が切り替わる。


え……。


この状況でほんとに歌う気?



「あのっ……!」



あたしの文句なんて、大音量のイントロにかき消されて……。


マイクを握りしめて歌い始める水瀬くん。



……もう。


仕方なく、あたしはソファにちょこんと腰をおろした。



鼻歌を聞いただけでも音感があるのは分かったし、今日の音楽の授業でも歌がうまいのはなんとなく分かっていた。


だけど。


そんなのはまだまだ甘くて、歌唱力は想像を絶するレベルだった。



す、すごい……!

本物の歌手より上手かも!


モノマネじゃなくて、その曲を自分のモノにして歌っているからほんとに上手に聞こえる。