***
「ちょっと……なんでここ……?」
放課後。
水瀬くんに引っ張られるようにしてたどり着いた先で。
あたしは呆然とした。
「いいじゃんいいじゃん、発散しようぜー」
のん気に言いながら水瀬くんが入っていく建物。
それはカラオケ店だったから。
結城くんたちとのカラオケを断っといて、どういうつもり?
腑に落ちないあたしを置いて、水瀬くんは勝手に受け付けを済ませてしまった。
「イエーイ!盛り上がろうぜー」
「あのっ……」
薄暗い狭い部屋にふたり。
未だにどうしていいか分からないあたしは、とりあえず部屋の隅でちょこんと立ったまま。
「カラオケに行きたいなら、クラスの人たちと行けばよかったのに」
「俺は陽菜と行きたかったんだよ」



