それはきっと、君に恋をする奇跡。



***



「ちょっと……なんでここ……?」



放課後。


水瀬くんに引っ張られるようにしてたどり着いた先で。


あたしは呆然とした。



「いいじゃんいいじゃん、発散しようぜー」



のん気に言いながら水瀬くんが入っていく建物。


それはカラオケ店だったから。



結城くんたちとのカラオケを断っといて、どういうつもり?


腑に落ちないあたしを置いて、水瀬くんは勝手に受け付けを済ませてしまった。




「イエーイ!盛り上がろうぜー」


「あのっ……」



薄暗い狭い部屋にふたり。


未だにどうしていいか分からないあたしは、とりあえず部屋の隅でちょこんと立ったまま。



「カラオケに行きたいなら、クラスの人たちと行けばよかったのに」


「俺は陽菜と行きたかったんだよ」