それはきっと、君に恋をする奇跡。



……今日は用があるんじゃないの?


あたしが不審な目を向けていると、水瀬くんは口を尖らせた。



「この間つき合ってあげただろー」


「シッ……!」



それを今ここで言わないで!


こんな会話が水瀬くんファンの女の子に聞かれちゃったら大変。



「だったら決まりな」


「ちょっ……!」


「だってこの間~」


「わーっ、わかったってば……」



抗議しようものなら、周りに向かってスピーカーのように声を張り上げる水瀬くん。


……もう。

まるで、あたしが弱みを握られてるみたいじゃん……。


それ以上水瀬くんに喋らせないようにするため、あたしはとりあえず首を強く縦に下ろした。