どう考えたってそうだよ。
普段からこんなもの仕込んでるの?
そう思ったら、おかしくて笑えた。
「は?だから今だけ限定っつってんじゃん、やっぱ陽菜持ってんな!」
続けて水瀬くんが自分の手にガムを落とすと、それには何も書いてなかった。
え?
ほんとにこれだけに書いてあったの?
水瀬オリジナルだとしても、そのガムがあたしの手に渡ったってことはラッキーに違いないのかもしれない。
「ふっ、ふふっ」
心の中が、あったかくなった。
この間のシャボン玉といい、こんなの子供だましみたいなものなのに。
あ、やだ。
おかしくて涙まで出てきちゃったよ。
さっきとは種類のちがう涙があたしの瞳を濡らす。
「泣くほどおかしいか!?」
……よかった。
こっちの涙だけバレて。