突然そう言われ、腕の隙間からチラリと横目で見ると、クロ〇ッツみたいな粒ガムを手にしていた。
「このガム10粒入りなんだけど、今だけ限定でひとつだけニコちゃんマークが書いてあるんだ。引き当てたらいいことあるんだって」
……またそんなこと言って。
もう騙されないし。
そもそも、こういうガムにそんなしかけがあるなんて、聞いたことないよ…
強引に手を取られ、水瀬くんがガムを逆さまにすると。
すとん、と。
一粒手のひらに落ちた。
「……ふっ……」
顔をあげて思わず笑う。
だって、銀色の包みに赤いマジックでニコちゃんマークが書いてあったから。
「おっ!当たりだすげえっ!」
水瀬くんはしらじらしく声をあげるけど。
「これ、水瀬くんが書いたんでしょ」