それはきっと、君に恋をする奇跡。



そして、微妙な沈黙に包まれた。


……だから。



「久保先輩って真面目な人?」



あたしの涙はまだ乾かないし。


隣から立ち去りそうもない水瀬くんに問いかけた。



仲が良かったなら知ってるよね?



「えっ……?ああ。何事にも真面目だし、性格もメチャクチャいい。面倒見もいいから後輩に慕われてたよ」


「そうなんだ。モテそうだから、真由ちゃんが色々心配してて……」



真由ちゃんには、あたしみたいな想いをしてほしくない。


好きな人と、たくさん幸せな時間を過ごしてほしいの。



「友達想いなんだな、陽菜は」



ポン、と頭の上に手を乗せられた。



「颯太先輩の人柄は俺がよく知ってる。心配する必要なんて全然ないよ」


「……ん」



表裏のなさそうな水瀬くんがそう言うなら、きっと間違いない。


よかった……。



「ガム食う?」