なんか、やだ。


別に宮崎なんてどうだっていいのに。


どうせ意地悪してくるでしょ。


正直、絡むのだるい、というか、キツイというか。


でもここで振り返らなかったら後が怖いよね、きっとひやっとする。


…いつもお前の話してると思うなよ。



「……宮崎って自意識過剰?」


「自意識過剰じゃないし宮崎じゃないよ」



振り返ると、そこにはなぜかにっこり笑顔の千。



「…何してんの?」


「何してると思う?」


「知らねーわ」


「今宵おまえ、そうやってすぐ怒って言葉遣い悪くなるの良くないよ?」


「なんで宮崎の声真似したの」



千の話を若干スルーしながら質問をぶつける。


だって、無駄にひやっとしたんだもん。



「今宵がどんな反応するか見てみたくてさ」


「何それ」


「まあまあ、いいじゃん」



はぁ? 何がいいの、わけわかんない。


へらりと笑う彼がその表情をやめてわたしをまっすぐに見てくる。



「今宵、昨日なんで席外した?」


「え、外の空気吸いたくなったから」


「なんで?」


「なんでって」


「なんで」



なんなの、なんでそんなに突然まっすぐに見てくるの。