恐らく、症状の一環なのだろう。

とにかく物が飲み込みづらくて、喉を通っていかない。


お腹を壊しているからと、柊真に頼んで食べやすい粥などの柔らかい物にしてもらっているけれど、それでもだめだ。


引っ越して来てから三日が経った頃には、さすがにまだ治らないのかとメンバーが心配しだして、危うく病院へ連れていかれるところだった。


「……やっぱり、やめとけば良かった」


食器を洗いながら、思わずぽつりと呟く。


引越してきてから四日目の今日、なんとか一日を乗り切り、もう誤魔化しもきかないと普通の食事へ戻してもらったはいい。


食べ盛りの男子高校生は揚げ物やら、丼ご飯やら、まあまあとにかく食べる。


その中であたしの食べる量の少なさは異様に目立った。


無理はしなくていいと言ってくれるけれど、毎回残してしまうのも、なんだか心苦しくて。