色とりどりのバラの花からは優雅な香りが漂ってきて、思わずうっとりしてしまう。
学校帰りの疲れが癒されていくよう。
「お嬢様…」
すると紫苑が落ちていたピンクのバラの花を1つ拾い上げて、
「お似合いですよ」
私の頭にくっつけ、にっこり笑った。
その王子様みたいな笑顔にまた癒される。
紫苑ってほんとに癒し系なんだよね。
「ふふ、ありがとう」
だけど次の瞬間、急に後ろから手が伸びてきたかと思うと、グイッと体を引かれて。
「…わっ!」
何かと思って振り返ったら、かーくんがひどく不機嫌そうな顔でこちらを睨んでいた。
「…はぁ。あのですね、こんなところで油売ってる場合じゃないんで」
「えーっ、なによ〜。別に私はただちょっとお花に癒されてただけで…」
「それより、そろそろピアノのレッスンの時間ですから。うちに入りましょう」
「えぇ〜っ」



