「ふふ、やっと認めた?」
レミはホッとしたように笑う。
「うん」
「だったら今こそ反抗するべきよ」
そう言うと、両手をグーにしてファイティングポーズを決めるレミ。
「もうさ、こうなったら家出しちゃえば?」
「えっ!」
「梨々香のパパに分かってもらうためには、本気だって証明するしかないよ」
そう言われて、ちょっと驚いたけど、たしかにそれは名案だと思った。
家出…。
実は今までにも何度かしようと思ったことはある。
でもそのたびにかーくんに見つかって、引き止められてできなかったんだ。
だけどもうこれ以上、何も失うものはない。
パパに分かってもらうには、そうするしかないのかも。



