「私は今の時代、そんなの気にしなくていいと思うよ。
恋愛なんて自由よ。身分とか家柄なんて関係ない。好きな人とすればいいのよ。
なんなら神楽くんと駆け落ちでも何でもしちゃえばいいじゃん」
「か、駆け落ち!?」
「うん。だって、梨々香はこのままパパの言いなりでいいの?」
「……っ」
レミの言葉がグサッと胸に刺さる。
言いなり…本当にそのとおりだ。
私は思えばずっと今まで、我慢ばかりしてきた。
パパがあれもダメこれもダメって言うから、なんだかんだそのとおりにしてきたし、パパの決めたルールの中でずっと生きてきた。
だけどもう、我慢できない。
か―くんのそばにいる権利さえ奪われて、それでもまだ、パパの言うことを聞く必要があるの?
いい子でいる必要なんかあるの?
…ないよね?
私にだって、自由はあるんだ。



