それだけじゃ…ない?
どういうこと?
「好きなんだよ」
「え……っ」
「梨々香は神楽くんのことが好きなんだよ。
だからきっと、こんなにもつらくてたまらないんだよ」
そう言われて一瞬、固まった。
私が……かーくんを、好き…?
「まぁ、実はずっと前から、私はそうなんじゃないかと思ってたんだけどね。
梨々香が自分で気付いてないだけでさ」
「う……そ……」
「梨々香と神楽くんの関係は、私とカイとはなんか違うもん。
もっと絆が深いっていうか。
私は正直、カイがクビになっても、ショックだけどそこまでは思えないかも」
レミはそう言って少し笑うと、私の顔を覗き込んでくる。
「梨々香はさ、神楽くんと離れたくないんでしょ?」
「……うん」
「夜も眠れないほどつらいんでしょ?」
「うん」
「それってやっぱり、好きなんじゃないの?
幼なじみとか執事としてじゃなくて、一人の男の子として」



