気が付いたら私は、どこかのベッドの上にいた。
こういうの、つい最近もあったような気がしたけど。
あったかい布団の中で、思い出していた。
かーくん…。
いつだったか、私がボールを顔面に受けて倒れた時に、保健室まで運んで行ってくれたよね。
それで、目が覚めるまで手を握っていてくれて。
あの時話したこと、今でも覚えてるんだ。
『お前が俺を必要とする限り、俺はお前のそばにいるから』って。
…言ってくれたじゃん。どこにもいかないって。
約束したのに…。
どうしてなの。
どうして、離れて行っちゃうの。
ずっと私のそばにいてくれるんじゃなかったの?
行かないでよ…。
「……かーくんっ」



